つながれていくバトン 2021年2月
新型コロナウィルス流行の勢いはとどまらず、人々の生活に暗い影を落としています。そんな中にあっても、子供たちは普段通りの生活をしていて、面白いことがあると顔を寄せ合い楽し気に笑いあいます。それではいけないと、教師は必死になってソーシャルディスタンスの大切さを伝え、離れて遊ぶ方法や、気温の低い日も戸を開けて授業を進めるなどの工夫を重ねています。昨日と変わらない日常が明日も続くとは誰も言えない状況にあって、集団生活を続ける学校はどこも薄氷を踏む思いで一日一日を過ごしています。
それでも、学校生活が対面で続けられるのは幸いなことだと感謝していたところに、残念な悲しいニュースが入りました。本校の英語の指導主事として、直接全学年の英語指導を行っていたK先生の訃報です。12月末に元気なお姿を見ていただけに、突然のことに言葉を失ってしまいました。
K先生とドミニコとの出会いは8年前にさかのぼります。目指す英語教育について話し合っていた時に、「英語は一つのコミュニケーションツールであって、目指すことは相互理解」という意見で一致しました。自分の考えを伝え、相手の考えを聞いて、互いを理解しようとする英語教育は、聖ドミニコ学院小学校の教育理念と合致していました。英語を学ぶ上で、基礎学習は大切です。発音やスペル、文法も言語を学習する上で必要な要素です。それらを根気強く取り組む学習方法を根底に置きながら、同時に最も大切にしたことはコミュニケーションツールとしての英語学習です。たとえば挨拶一つのしても、ワンパターンの答えを繰り返すだけでなく、自分の気持ちを表現することを求めるように工夫されていました。ドミニコで子供たちに英語を教えることを、K先生はとても楽しんでいました。
K先生の死を悼みながら、K先生が伝えたかった英語の話を5,6年生の宗教の時間にしました。子供たちは、K先生に様々な思いを寄せてくれました。
子供たちは、託された思いをどう引き継いでいくのか、それぞれが考え実行しようとしています。不安定な世の中にあっても、希望が常に輝いていることを子供に教えられます。
校長メッセージ バックナンバー
2024年
2023年
2022年
- 12月
- 待つということ(待降節を通して)
- 11月
- 褒められた時には
- 10月
- 児童書によせて
- 9月
- 絶対ということ(又はお鍋の話)
- 7月
- 時代の中で求められること
- 6月
- 教育の目的
- 5月
- 聖母月に寄せて
- 4月
- 春爛漫
- 3月
- オミクロン株
- 2月
- 18歳成人に向けて
- 1月
- 成長を見せる寅年
2021年
- 12月
- 待降節:アドベント (Advent)
- 11月
- 学ぶということ
- 10月
- 感謝ということ
- 9月
- 価値観の違いに気づいた時に
- 7月
- 読書への思い
- 6月
- 自治を学ぶ
- 5月
- 学びについて
- 4月
- 始まりの季節
- 3月
- 春に向けて
- 2月
- つながれていくバトン
- 1月
- 新たな年を迎えて
2020年
2019年
- 12月
- 虹
- 11月
- 教皇様の来日に寄せて
- 10月
- 対話
- 9月
- 日常の生活を保つために
- 7月
- プラスチックごみ問題を通して
- 6月
- 大人として
- 5月
- 読書の時間
- 4月
- ランドセルから見えてきたこと
- 3月
- 春に
- 2月
- 「漢字一字」に込める思い
- 1月
- 言葉の力
2018年
- 12月
- クリスマスを祝いましょう
- 11月
- 死者の月
- 10月
- 信じる
- 9月
- 日常の生活を保つために
- 7月
- 出来ない不安,出来た喜び
- 6月
- ・・・のために
- 5月
- 「関わり」を通して見えること
- 4月
- 共に目指すこと