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校長メッセージ

聖ドミニコ学院小学校
校長

土井 智子

聖ドミニコ学院小学校 校長 土井 智子

新たな年を迎えて 2021年1月

新年あけましておめでとうございます。今年のお正月は辺り一面、雪化粧でした。雪景色を見ながら、子供たちはどんなお正月を迎えたのかなあと考えました。きっと雪を喜んだでしょう。12月に雪が降った時には、歓声を上げて外に出て雪遊びをする姿が見られました。雪が降ると、大人は交通渋滞や雪かきなどマイナスなイメージを先に持ってしまいますが、子供たちは大喜びで雪を楽しみます。子供と雪は良く似合います。大人と雪が似合う風景は、温泉でしょうか。

以前、聞いた話です。ひなびた温泉が好きだというその方は、秘湯と呼ばれる温泉を好んでいました。「源泉かけ流し」の温泉は山奥にあることが多く、細い山道を進み、小さな温泉宿に行き地元でとれた山菜などの料理を楽しむことは最高の楽しみだと話していました。ある時、とても良い温泉に感嘆し、「実に良い温泉ですね」と湯につかっていた見知らぬ人に声を掛けたそうです。温泉の近所に住むというその方は、その温泉に良く来るということでその温泉の効能を話しながら、「でもね、この間行った温泉は良かった。広いロビーがあってさ、料理もすごいの。温泉の大きいことと言ったら…」と仙台市近郊にある大きな温泉旅館の話を続けたといいます。ひなびた温泉を訪ね歩いていた人にとって、それは驚く話でした。「自分にとって価値あることが、相手にとっても同じ価値があるとは限らないことが良くわかったよ。」と教えてくれました。何か良いと思うことがある時、その反対のものに目を向けることはあまりありません。良いと思うものが一番よく、その反対のものに価値があるとは考えません。二者択一の発想にとらわれている時、足元にある良いものが見えていないことに気付きません。

足元にある「良いこと」に気が付かないことは、たくさんあります。メーテルリンクの「青い鳥」に描かれている話や「隣の芝生は青い」という諺が示すように、洋の東西を問わず今も昔も、自分が当たり前のように思っていることが、とても価値あることなのだと気付かずに過ごしています。
雪を見て、きれいだと思う感性を大切にしていきたいと思います。自分の生活上の都合を追うのではなく、あるがままに受け入れ、そこに良いことを見付ける感性を、年齢とは関係なく持っていたいものです。いろいろな出来事が起こるたびに、私たちは「何故?」と問いかけます。答えが見つけられないことに苛立ち、「何故」を繰り返し疲れていきます。「何故」「どうして」の前に、まず今目の前にある良いことに気付く感性を大切にしていきたいものです。コロナに翻弄された2020年を経験したからこそ、一つ一つ、一日一日を丁寧に生きることの大切さに向き合う2021年にしていきましょう。

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