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校長メッセージ

聖ドミニコ学院小学校
校長

土井 智子

聖ドミニコ学院小学校 校長 土井 智子

「漢字一字」に込める思い 2019年2月

その年を表す漢字として,年末に一字が発表されます。毎年の恒例行事として,ニュースにもなっていますが,我がドミニコ小では,学期始めに漢字一字で自分の決意や考えを表す活動をしているクラスがあります。また,クラス目標を漢字で考えたクラスもあります。過去を振り返るのではなく,前に進めていこうとするところは如何にも小学生らしく微笑ましいものです。また,たった一字で思いを伝えることのできる漢字文化は奥が深いと考えさせられます。
さて,子供たちがどんな漢字を選んだか,ご紹介いたしましょう。クラスの子供全員がそれぞれの思いを込めて取り組んでいるので,紙面の都合でほんの少ししか載せられないことが残念です。

【考】 自分の考えを発言できて,人の事を考えて行動できるようにする。(4年)
【支】 何事も「みんな」で支え合い乗り越えていこうと思って「支」という字にしました。(4年)
【直】 真っすぐに進めるように「直進」,心が素直になるよう「正直」,直ちに「直す」,
    以上4つの理由で直にします。(5年)
【礼】 3学期は6年生に向かっていく年なので,礼儀正しく,
    だれにでも親切になれる人になっていきたいと思います。(5年)
【尊】 他学年に尊敬される。互いに尊敬しあう。(6年)
【友】 友達を大切にする。固い友情で結ばれる。(6年)

6年生はクラス目標を意識して選んでいるので,全体の事を考えているのは当然かもしれませんが,個人目標として選んだ4年生5年生の漢字も,この紙面に載っていないものも含め,不思議と他者との関わりも考えていたことが印象的であり嬉しい事でした。子供たちは,学校という社会生活をおくる中で,人としてどうあるべきかを日々考えながら成長しています。
「私はこうしたのに…」「私がしたおかげで…」「私はこうしたい。」と私が,私が…と自分の損得だけを考える思考癖では,人は満足感を味わうことができません。肥大化していく自己承認要求を自分でも持て余してしまいます。自分の事の為にだけ集中する時,ミスは許せなくなり,失敗は取り返しがつかないもののように思ってしまいます。他所を思う視点,助け合う心を持つことで,失敗もまた一緒に乗り越えるチャンスに変えていくことができます。学校は,単に科目を履修するためにだけあるのではありません。特にキリスト教の学校は,互いに思いやり愛し合う子供の育成を目指しています。一緒にいる経験を通して助け合うことを学びます。日々の何気ない活動の中でも他者を思う目を養っていきたいと,子供が選ぶ一字一字をみながら考えています。

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