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校長メッセージ

聖ドミニコ学院小学校 校長
森 研二

聖ドミニコ学院小学校 校長 森 研二

生きる喜び 2025年3月

10年に一度の寒波に見舞われた2月、道路を塞ぐほどの大雪に困惑する人々のニュースが各地から届きました。体力を非常に消耗する雪かきを一日のうちに何度も繰り返す日々が続き、特に高齢者の方々にとっては大変なご苦労があったことと思います。そんな中、金沢の北陸大のサッカー部員が除雪ボランティアを行い、朝早くから雪かき作業に汗を流したことを伝える新聞を目にしました。「若い力の協力は本当にありがたい」という地域住民の感謝と、「自分達は日々地域の方々に支えられていて、少しでも役にたてるのであればうれしい」という大学生達の清々しい思いを伝えるこのニュースに、利他(自分のことよりも他の人のために尽くすこと)に生きることの素晴らしさを説いた本の一部分を思い出しました。

「子どもの喜びは、成長と共に大きく分けて3つの段階を経ると言います。

1つ目の段階は『もらう喜び』です。最も初歩的な喜びです。赤ちゃんは抱っこされて喜びます。ミルクをもらって喜ぶ。あやしてもらって喜ぶ。自分に対して何かをしてもらって感じる喜びがそれです。

2つ目の段階は『できる喜び』です。少し成長して、色んなことが出来るようになると感じる喜びです。野球ができて喜ぶ。計算ができて喜ぶ。自分の行いについて感じる喜びを指します。

そして、3つ目の段階が『与える喜び』です。自分のしたことで相手が喜ぶ。その様子を見て、感じる喜びです。『親の愛』に最も近い喜びかもしれません。この3つの喜びは段階を経るごとに大きく強くなっていくそうです。

1つ目や2つ目の喜びももちろん大切ですが、この3つ目の喜びを心底感じられるようになったとしたら、少しずつ心が成長してきている証と言えるのだ。」                              ~引用   心を育てる語り~

6年生はいよいよ巣立ちの時を迎えます。元気で可愛い1年生から、逞しさや凛としたという言葉が相応しい姿へと変化を遂げる中で、成長段階に応じた様々な喜びを経験してきたと思います。1年生のお世話という初挑戦でスタートした最高学年での喜びは、それまで経験したものとは違うものとなりました。自分のペースで給食を食べたい、朝や昼休みは自由に遊びたい、始めは我慢も感じていたかもしれません。しかし担当する1年生が少しずつ出来ることが増え、その達成感を無邪気な笑顔で表す姿に、自分の中にあった我慢はいつしか大きな喜びとなったことでしょう。もちろん1年生のお世話だけでなく、この1年間、学校のリーダーとして先頭に立ち、様々なアイデアを出しながらドミニコを更によくしていこうと努力をしてきました。この努力の一つ一つにも「利他」の精神があり、憧れをもって見ていた下級生達にもその思いや行動は受け継がれていくことでしょう。

「利他」の精神はカトリックの教えでは「無償の愛」に通じます。見返りを求めることはせず相手のために愛情を尽くす経験は、何にも代え難いものです。なぜなら、私達が「無償の愛」の尊さに気付けた時、「与える喜び」の先にある、「本当の生きる喜び」を見出すことができるからです。

卒業を迎え、それぞれの新しい扉を開く期待に胸を膨らませている一人一人の未来が、「真理」の光に照らされ、「生きる喜び」にあふれ輝くものとなります様に、心からお祈りしています。

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