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校長メッセージ

聖ドミニコ学院小学校
校長

土井 智子

聖ドミニコ学院小学校 校長 土井 智子

日常の生活を保つために 2019年9月

夏休みが終わり,元気な声が校舎の内外から聞こえています。休み中も,ドミニコキッズ(学童保育)や合唱団の練習等で,毎日学校で活動する子供の姿がありましたが,全員が戻ってきた校舎とはにぎわいが違います。教室で話し合う姿や,校庭で駆け回る姿…学校は日常を取り戻しました。

日常生活を不安なく過ごせることがどんなにありがたい事か,忘れて生活していることがあります。この夏,日本各地で様々な災害が起きました。西日本豪雨では,土砂崩れや広域の浸水被害をもたらし225名の犠牲者が出ました。災害から2カ月が過ぎようとしている今も 10府県で避難生活が続いています。この豪雨は,多くの地点で48時間,72時間雨量の観測史上最大値を更新したといいます。朝日新聞「てんでんこ」の記事に,山口大教授の山本晴彦先生が福岡県朝倉市の雨量データをどれだけまれな雨といえるかを確率ではじき出したところ,4万4千年に1度しか降らない雨と出たとありました。

世界的な気象異常が起きていることを,様々なニュースが私たちに伝えています。猛暑が続く韓国・ソウルでは,炎天下でデモや在外公館の警備をしている警察官に熱中症対策のための日傘が配布されました。スイスも記録的な猛暑で,素足で立つにはアスファルトが熱すぎるというので,暑さを和らげるための靴がチューリヒの警察犬に支給されました。
アメリカ・カリフォルニア州で最高気温が52度,ノルウェーで33.7度を記録したと聞くと,その異常さが伝わります。

こうした気象異常が,人間の活動に伴うものだとするには多くの異論もあるでしょう。けれども,何らかの影響を及ぼしているのではないかと考えている人は多くいます。「20年後,この異常気象を毎年のように経験するようになる」と発表した学者がいます。目の前にいるこの子供たちが担う時代が,そんな過酷な環境になっているのでしょうか。

それは本当に小さな決意です。日々の生活を見直し,小さな無駄をなくす努力をすること。手間暇を惜しまず,再利用につとめること。利便性のみを追求しないこと。今ある日常の生活を,子供たちの未来につなげるために,自分の力で出来る事を続けようと決意した夏となりました。

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