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校長メッセージ

聖ドミニコ学院小学校 校長
土井 智子

聖ドミニコ学院小学校 校長 土井 智子

感謝ということ 2021年10月

学校で子供たちは毎日お祈りをします。朝のお祈り、食前のお祈り、食後のお祈り、帰りのお祈り。このお祈りの言葉は、聖ドミニコ学院小学校を始められたメールの方々が考えられたものです。そのお祈りを、1953年の創立以来、子供たちは学校で毎日唱えています。卒業生も含め、たくさんの声がこの祈りを唱えてきました。お祈りの中で繰り返されている言葉は「感謝」です。

朝のお祈りでは、「イエス様、暗い夜の間も、私たちを静かに守り、新しい朝を迎えさせてくださいました。私たちは心から感謝いたします。」と、帰りのお祈りでは「イエス様、私たちは、今日も楽しく過ごすことができましたことを、感謝いたします。」とそれぞれ唱えます。「感謝いたします」という言葉の中に、今あることに対する感謝の心を育んでいきたいという、お祈りをつくられたメールたちの願いが伝わってきます。

 

コロナ対策としての新しい生活様式は、子供の成長を考えた時、望ましいとは言えないことが数多くあります。ふれあいが大切な時期でもあり、顔の表情の読み取りを学ぶ時期に、密を避けようとか、マスクは必須という教育をせざるを得ないことに、忸怩たる思いを抱いています。けれども、新型コロナウィルス感染症の収束にはまだかなりの時間が必要であることは誰の目にも明らかになっています。こうした閉塞感が漂うと、その影響を受けて人はしばしば自分勝手な行動をとりがちです。「私はちゃんとしているからいいでしょ。」「ぼくは、今こうしたいからしただけ。」「誰にも迷惑をかけていないなら何をしても自由でしょ。」…その言葉の裏側には精一杯やっても物事がうまくいかない苛立ちのようなものが見え隠れします。言われた通り一生懸命にやってみても、相変わらず窮屈な状態が続いていることに対して、どこにぶつければいいかわからない感情が、いつもとは違う言葉や態度につながっているのかもしれません。そうした子供たちの感情に寄り添いながら、同時に、今あることに感謝することに気づかせていかなければなりません。それは、自分より大変な人との比較からではなく、まさに今、生きていること、友達と共に学べるということ(たとえそれがリモート等であっても)、学ぶチャンスがあるということ、逆境にあっても自我を確立させていけるチャンスがあることに、感謝の念を持たせたいのです。

感謝の気持ちは、一方的な関係からは生まれてきません。何かをしてもらって「ありがとう」と言う以上に、誰かのために働き「ありがとう」と相手から言われることで感謝の意味が伝わってきます。家の中で、学校の中で、地域の中で、自分が役に立っているという経験は子供を成長させ、他者に対する思いやりの心を育てます。祈りの「感謝」の場面が実生活の中で繰り返せるよう、奉仕の場を広げていきたいと考えています。

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