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校長メッセージ

聖ドミニコ学院小学校
校長

土井 智子

聖ドミニコ学院小学校 校長 土井 智子

新年を祝って 2020年1月

新年あけましておめでとうございます。
子供たちから、たくさんの嬉しい年賀状をいただきました。新しい年を迎えて、抱負を書いた子供たちの字を見ていると、ひとりひとりの思いが伝わってきます。卒業生からも年賀状をいただきました。親元を離れて初めて一人暮らしをしたことを伝えてくれたり、いよいよ就活が始まることに向けての決意を述べてくれたり、フィンランドから帰国して日本で生活を始めたと報告してくれたり…もう、会うことが難しくなっていく卒業生が、それぞれの近況を知らせてくれます。年賀状を送り合うという習慣がなければ、聞くことができなかった卒業生の思いが伝わります。

ラインなどのアプリを使ってリアルタイムで連絡を取り合える現代にあって、年賀状を出し合うという習慣はすたれてきたと言われています。新年が明けた瞬間に連絡できるのに、12月中に葉書を書かなければ届かない年賀状はまどろっこしく、スマートではないと思われているのかもしれません。儀礼的で無駄な習慣だという考えも理解できます。けれども、年賀状でつなぐ思いがあるということも事実です。
交流活動を行っている特別養護老人ホーム『洛風苑』のお年寄りや職員の方々に、子供たちは毎年クリスマスにカードを送り、元旦に届くように年賀状を出しています。以前、職員の方に「お年寄りの中には、ドミニコの子供から届く年賀状が唯一という方もいらっしゃいます。『私は、覚えてもらっている』というはげみにもなっています。」と、言っていただいたことがあります。子供たちは、まだ大人の誘導に沿って年賀状を書いているともいえるでしょう。けれども、丁寧に仕上げられた年賀状は、受け取る側に微笑みをもたらします。自覚がなかったとしても光となる行動をとることができます。そして、ずっと前に卒業した小学校の教師に、近況や思いやりのある言葉を送ってくれる習慣を持つ人へと成長してくれているのです。一つ一つの経験が、子供を育てています。

2020年も、ひとりひとりの子供に丁寧に働きかけ、小さな体験を大切にできる学校でありたいと願っております。今年も、皆様のご協力を切にお願い申し上げます。

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