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校長メッセージ

聖ドミニコ学院小学校
校長

土井 智子

聖ドミニコ学院小学校 校長 土井 智子

オオシマザクラ 2023年5月

今年、聖ドミニコ学院小学校は創立70周年を迎えました。4月末の「創立の集い」では、70周年を迎えるにあたり、学校の創立からの歴史をたどった発表を6年生が行いました。修道院の片隅を使って開始された小学校の歴史から学ぶことは多く、先人の学校にかける想いが伝わりました。たくさんの人々の共感と力強い助け、そして何より神に対するゆるぎない信頼感がなければ、この学校は創立できなかったし存続もできなかったのだと思います。

今年の春卒業した第65回生が、オオシマザクラを記念植樹しました。3年間、新型コロナウィルス感染症で活動を制限されていた学年だったので、思い出に残ることをしたいという切実な思いを、保護者の方々が協力して形にしてくださいました。卒業式の後で小校庭に全員が集まり植樹したのですが、その時代表の児童が

「サクラは冬の寒さに耐えて春に美しい花を咲かせる。これから冬の寒さのような困難に直面することがあっても、学校での思い出を胸に頑張って進んでいく。」【河北新報 夕刊 2023.3.28「杜のひろば」より】

と、植樹への想いを発表しました。これから直面するであろう様々な出来事を前向きにとらえ、すべての経験を良いものにかえていこうとする子供たちの力強さを感じました。「冬の寒さに耐えて春に新しい花を咲かせる」ことを私たちは目指していかなければならないのだと、桜の木を見るたびに思い出させてもらえます。

オオシマザクラは、日本の固有種で成長が早く再生力が強いのが特徴とされています。学校という子供たちの成長の場に、最も適した桜といえるでしょう。今回植樹されたオオシマザクラの幹は、直径3センチほどです。植樹から1か月以上がたち、枝先には新緑の葉が出てきました。この桜の幹が太くなり、満開の花を咲かせる頃、どんな景色が広がっているのでしょう。卒業生が集まりお花見をしながら懐かしい思い出話をしているかもしれません。花が散り、大きな葉が出たころには、小学生が葉を集めて塩漬けにし、桜茶や桜餅を作っているかもしれません。想像はひろがります。

1年また1年と積み重ねて、聖ドミニコ学院は創立70周年を迎えました。植樹された木が大木に生長するであろう創立100周年に向けて、次への歩みを進めてまいります。しっかりと大地に根をおろすオオシマザクラと共に、建学の精神のもと、先人の思いを引き継ぎ、地域に根差し、時代の要請に応え、新しい取り組みにも果敢に挑戦する学校でありたいと思います。

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