MESSAGE

校長メッセージ

聖ドミニコ学院小学校
校長

森 研二

聖母月 2025年5月

青葉若葉が映える5月を迎え、学校は活気で満ち溢れてきました。

このひと月の間、6年生は1年生との関わりを大切に、朝の準備、着替えに始まり、休み時間、給食と、1日の多くを共に過ごしてきました。1年生に学校生活のリズムや、小学生としての様々なルールについて優しく丁寧に教える中に、温かい交流が生まれ、ドミニコファミリーの伝統も自然と受け継がれていきます。優しさに満ちたこの時間は、いつかかけがえのない思い出として、一人ひとりの心に残っていくことでしょう。

さて、5月はマリア様の月でもあります。カトリック教会では5月を「聖母月」と呼び、聖母マリアを崇敬する月としています。新緑や花の季節が聖母マリアを象徴する美しさを歌う聖歌も数多くあります。アヴェ・マリアの祈りを唱え、マリア様を賛美する聖歌を歌う5月は、1人1人の心を自然と清らかにし、凛とした強さを湧きあがらせる不思議な力があります。

お言葉通りに、この身に成りますように(ルカ1章38節)

大天使ガブリエルの受胎告知を受け、大変驚きながらも従順に素直に受け入れたマリア様。その姿に倣うことは、生きていく上でとても大切な指標です。子ども達の成長にもこの素直さは大きく影響します。例えば、何か失敗した時、どうしても「違うんです。自分は・・」と保身することは子供に限らないことです。誰しもが自分を悪者にせず、大切に守りたいという無意識の防衛本能も働くのは当然です。カトリックの教えの中で、聖母マリアの素直な姿勢が尊ばれるのは、そうした人間の弱さがあるからでしょうか。

本校では、この聖母月の期間「自分の弱さ」に向き合い、マリア様の姿を通して、自らの心を強く成長させるために【マリア様カード】を実践します。またそのカードを努力の証としてマリア様にお捧げし、全校生の喜びとします。

カードには各自が立てた自分の目標が書かれ、毎日自分がその目標を実行できたか振り返り、目標を達成できたら色を塗ります。「大切な学習用具を忘れない」「友達に優しくする」「授業に集中して先生の話をよく聞く」など、子ども達がたてる目標はどれも学校生活の基本的で当たり前のことです。しかし、自分の弱い心に向き合い、打ち勝ちながら毎日継続することは、簡単なことではありませんから、「はぁ~今日も色を塗れなかった・・」と肩を落とす児童も少なくありません。そんな時、教師は自分の弱さに素直に向き合ったことをまず認め、「それがマリア様の心なのですよ」と優しく諭します。自分の弱さを知り、受け入れた時、人は「ありのままの自分」を愛することができ、そんな姿が多くの人からも愛されるのです。不完全である私達は、この「ありのままの自分」をどう受け入れるかで、人生の豊かさが大きく変わる事実があることも忘れてはいけません。

聖母月を通して、「ありのままの自分」を見つめ、1人1人の心が樫の木のように強く、生き生きとたくましく成長できるよう、子ども達に期待します。私達教職員、そして保護者の皆様は、そんな愛すべき子ども達の姿を、青空のように広い心で見守り、慈しんで参りましょう。

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