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校長メッセージ

聖ドミニコ学院小学校
校長

土井 智子

聖ドミニコ学院小学校 校長 土井 智子

時代の中で求められること 2022年7月

先日、本校で導入している学習支援ソフトの会社の取材を受けることになりました。子供たちの授業の様子を見学された後、情報担当や担任に話を聞いて、インタビュー記事をまとめられるとのことでした。どんな記事になるか、今から楽しみですが、それにしても不思議なのは全国展開しているだろう会社が、「何故、本校にインタビュー?」という点でした。

疑問に思って聞いてみると、4月中の学習支援ソフト利用率が非常に高かったからというのです。そうしたことがデータとしてわかるということに、驚きを覚えつつ(考えてみれば当然のことなのでしょうが、アナログ世代はこうしたことに一つひとつ感心するのです)、本校の子供たちがタブレット端末を学習用具として使いこなしていることを証明してもらえたようで嬉しく思いました。

ICT教育については、教員研修会に参加するとともに、校内で事例検討会を行いどんな活用ができるかについて話し合いを持っています。デジタル教材の有効的な活用方法や、実際に活用した報告をしあうなど、互いに切磋琢磨しあう風土が職員間に出来ていることも、より積極的な活用につながっているように思います。また、何より子供たちが、教師が授業で導入すると、持ち前の好奇心が功を無し、どんどん試して機能を見つけ出しているということも、大きな要因です。学習支援ソフトを導入して1年、積極的な使用に結びついたのは、この相乗作用によるものといってよいでしょう。

昨年の4月から始まった一人一台のタブレット端末が、学習の幅を広げている事は確かです。グループ活動で調べたことをまとめる時、これまでは手持ち無沙汰で待っている姿が見られることもありました。今は、学習支援ソフトを使って1つのページに複数人で同時編集ができるので、グループで協働して資料を作成する時も、各自がタブレットで役割を分担しながら同時に進めています。また、導入前は互いの意見を確認する時に、各自のノートを投影機で画面に示して共有していましたが、今は全員のページを集めることができ、一覧で表示しています。ICT機器を使うことで、授業のテンポが良くなっています。

変化を受けとめることは、いつの時代も大切な事だと改めて感じています。技術の進歩と共に、ツールは更新していくのですから、利用できる力を教育の場でつけていくことを求められるのは、当然だと考えるようになりました。ツールの持つ利便性と危険性を、知識として習得することは重要です。「知らなかった」では済まないことがあり、子供たちは知識・技能として学校教育の場で身につけていくことで、自分を守り同時に他者を守ることができるからです。

積極的に学習活動に取り入れながら、同時にいつも依存した活用方法になっていないかと振り返る教師、新しい知識をどんどん吸収し活用していく子供たち…。学校は情報化社会に向かう転換期の中でその使命を最大限に発揮すべく、日々の教育活動を続けています。

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