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校長メッセージ

聖ドミニコ学院小学校
校長

土井 智子

聖ドミニコ学院小学校 校長 土井 智子

春爛漫 2022年4月

暖かい春の日差しが、子供たちの入学・進級をお祝いしているようです。お子様のご入学・ご進級、おめでとうございます。学校は、たくさんの「ご縁」が集まるところです。学校で学ぶ子供たちが主役であることはゆるぎないところですが、その子供たちを護る多くの方々によって学校は成り立っています。2022年度を皆様の協力の下で始められることに感謝しております。

 

新入生を迎える学校は喜びが溢れています。上級生は、殻を破って生まれてきた雛が独り立ちするよう見守る親鳥のように、関わります。例えば一つ先輩の2年生は、隣の教室をのぞきながら、声をかけたくてうずうずしています。6年生は、自分のことは後回しにして1年生にランドセルの置き方をレクチャーし、給食や遊びもサポートします。それぞれの学年の子供がさりげなく手助けをする様は、頼りがいがあり、1年生の学校生活に対する不安を吹き飛ばしてくれます。それでも学校は、基本的に同学年での活動が主になります。上級生がかかわる時間には限りがあり、1年生は自分のことは自分ですることが求められます。もちろんこれまで幼稚園やこども園・保育園などで年長さんとして園をリードしてきた経験から、集団生活には慣れていて自分でやりきることは理解していていますが、慣れないことには四苦八苦することが多いものです。

入学して手こずることの一つに着替えがあります。本校の制服は創立した69年前に決められて以来、男児の半ズボンの丈を長くしたこと、男女のブラウスの型を同じにしたこと、女子の夏スカートを吊スカートにしたこと、夏の麦わら帽子をピケ帽にしたこと、この4点以外の変更はありません。ジャンパースカートやジャケットなど普段着慣れていないものから運動着への着替えは、思うようにいきません。しかも脱いだ制服は、「ハンガーに着せる」ことを求められます。制服を大切に扱うことも学校生活の大切な学びですが、1年生にとっては最初の難行(?)でしょう。毎朝学校に制服で来て運動着に着替え、帰りはまた制服に着替える…毎日の活動の一環としての着替えは、回数を重ねるごとに早くなり、やがてそうした一連の行動は自然にできるようになります。

少し前の話ですが、制服を扱う繊維業界新聞の取材を受けたことがあります。ハンガーラックに向きもそろえて掛けてある制服を見た記者は、それが日常の姿であることにとても感心されて、「(売り場のように)整えていますが、これを子供たちが毎日しているのですか?制服を大切にする心が伝わり、作っている者の励みになります。」と喜んでくださいました。

出来ることがひとつずつ増えることは、子供の自信につながり、自立につながります。そして、その自立を仲間同士が助け合い、共にできるようになったことを喜びあえる学びの場が学校です。『共に学び、共に在ることが喜びとなる』学校を私たちは目指しています。日々の小さな積み重ねを大切にし、新しい仲間と共に始まった2022年度が、神様の導きによって感謝と愛に満ちたものとなるよう喜びをもってすすんでまいります。

 

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