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校長メッセージ

聖ドミニコ学院小学校
校長

土井 智子

聖ドミニコ学院小学校 校長 土井 智子

新年の抱負 2023年1月

新年明けましておめでとうございます。年が明けると、何か新しいことが始まるようなわくわくとした気分になります。新しい目標を掲げ、それに向けて努力していこうとする気持ちが芽生えます。お正月が特別な日であるという感覚は、昔の人から伝えられてきたからでしょうか。そうであるならば、一つの文化として、お正月を「抱負を立てる日」として大切にしていきたいものです。

12月に私立小学校の校長職を対象とした研修会に参加しました。その講演で語られたことは「非認知能力を育てる重要性」でした。非認知能力とは、学力(認知能力)と対照して用いられることが多いのですが、意欲や協調性、粘り強さ、コミュニケーション能力など学力テストでは測れない力を指しています。そして、この非認知能力を育てることの重要性が講演の中で繰り返し語られました。認知能力を伸ばすことにも、非認知能力が重要な役割を担っていると示されました。

学校は学習の場としてつくられているので、子供の学力向上を期する場としてとらえられていましたが、その役割が多岐にわたっていることが社会の中でも認知されるようになってきました。学習内容を効率的に学ぶためだけなら、学校は授業をしていればいいのですが、日本の学校は行事や課外活動、掃除などたくさんの活動を行ってきました。一見無駄に見えることが、子供が育つ上で重要であることを、先人たちは良く知っていたのでしょう。子供は、集団の中で役割を果たすことで学び、成長していきます。

集団生活ではまた、自分の思い通りにならない経験をします。忍耐・我慢といったことは、しばしばネガティブな印象をもたれますが、その経験が相手のことを考える姿勢を育て、自制心の育成につなげていきます。「自分が、自分が」という自己主張から「お先にどうぞ」という譲り合いの行為へと変わっていくのは、協力することの大切さと楽しさを味わってということもありますが、思い通りにいかないことを受け入れられる力がついてきたからとも考えられます。リレーの代表に選ばれず応援する側にまわる、第1希望のクラブに入れない、掃除で汚れた雑巾を洗わなければならない…そうした我慢の経験が自分の気持ちをコントロールする力につながり、物事を途中で投げ出さない心の強さを育てます。非認知能力が、学校生活の様々な場面で育てられていくことがわかります。

毎日顔を合わせての生活があるからこその経験がどれだけ大切か、新型コロナ感染症蔓延防止措置によって気付かされることになりました。学校が果たす役割が再発見されています。「子供たちの生活の大半の時間を過ごす学校生活を、充実したものにしたい」これが、2023年の抱負です。学校生活が楽しいことは大切です。わくわくする経験をさせるための工夫を重ねていきたいと思います。同時に、真摯に物事に取り組む姿勢も求めていきたいと思います。苦手とすること、面倒くさいことに根気強く取り組む経験をあえて求めていきたいと思います。子供たち一人ひとりが「大切な存在」であることを実感できる学校にしていくために、今年も保護者の方々の協力のもと聖ドミニコ学院小学校の教育活動に邁進してまいります。

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