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校長メッセージ

聖ドミニコ学院小学校
校長

土井 智子

聖ドミニコ学院小学校 校長 土井 智子

スタートの春 2023年4月

お子様のご入学・ご進級を心からお祝い申し上げます。

新しくスタートを切るということは、嬉しいものです。4月、新しいことが始まる期待、子供たちのわくわくしている気持ちが伝わります。春休みの間、新学期に向けて持ち物の整理をしたり、学用品を新しくそろえたりしたご家庭も多かったと思います。私自身も遠い子供時代、毎年4月の初めに新学期に向けて新しく鉛筆や消しゴム、筆箱などを買いそろえてもらっていました。整理整頓が苦手で、すぐ物をなくす子供でしたが、新しくそろった学用品を前に今年こそは丁寧に最後まで使おうと決意したものでした。残念ながら、うまくいった思い出はありません。だから、「6年間同じ筆箱を使い続けました」「ずっと使っているので、定規の目盛りが薄くなってしまいました」などという言葉をドミニコの小学生から聞くと、感心を通り越して尊敬の念を抱きます。物を大切にする気持ちを大切にしながら、同時に新しくそろえる楽しみを、どの時代の子供たちも感じていることでしょう。

 

新学期に使う教科書を、本校では一人ひとりに手渡ししています。在校生には3月中に、新入学生には4月の入学式で「大切に使ってください」という言葉を添えて渡します。子供たちは、黙って受け取るわけではなく、それぞれ「ありがとうございます」「大切に使います」と答えてくれます。学年によっては11冊にもなる教科書を、「重い!」と目を丸くしながら受け取る姿は微笑ましく、頑張ろうという気持ちが伝わってきます。家に帰って新しい教科書を開き、ページをめくる時に漂うインクのにおいは、新学期に向けての気持ちを後押ししたに違いありません。

 

新しく始まる学年に向けて、準備をするというのはもちろん物だけではありません。一人ひとり、決意と希望をもってこの4月を迎えていることでしょう。その思いを大切にしていきたいと思います。

この3年間、感染対策としてマスクをつけて生活してきました。令和541日以降は「学校教育活動において、マスク着用を求めないことを基本とする。」という文科省からの連絡を、大きな喜びをもって受けとめています。子供の声がマスク越しのくぐもったものではなくダイレクトに伝わる喜び、顔全体の表情を見られるという喜びです。この4月からは、互いの顔を見て生活するという当たり前のことが当たり前にできる学校生活が始まります。これまで以上に新学期に対する期待が膨らみます。もちろん、感染症の脅威が収まったわけでもなく、対策を講じていく必要はあります。けれども、子供の口元が見られるという今年の春は、これまで以上の喜びと明るさを伴っているように思います。子供たちの新しい生活が始動します。喜びに満ちた学校生活を繰り広げていけるよう教職員一丸となって取り組んでまいります。

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