つながりの中で育つ個性 2025年9月
長い夏休みが終わり、子供たちの元気な声が校舎に戻ってきました。静かだった教室や廊下が、再び命を吹き込まれたように感じられます。久しぶりに皆さんの笑顔に出会えたことを、心から嬉しく思います。夏の間、それぞれのご家庭で過ごした時間は、子供たちにとって大切な「育ちの場」であり、家族との絆を深める貴重な機会だったことでしょう。自然の中で思い切り遊んだり、読書にふけったり、合唱練習で仲間と真剣に向き合ったり、子供たちの心を豊かにする貴重な経験となったことでしょう。
振り返れば、これまで、運動会、写生会、マリア祭、そして5・6年の宿泊学習など、たくさんの行事がありました。子供たちは、仲間と協力しながら一つ一つの活動に取り組み、互いに励まし合い、助け合う姿を見せてくれました。運動会では、友達の頑張りを認め、勝敗を越えて、敵味方を問わず大きな声で応援する姿が印象的でした。マリア祭では、聖母マリアの優しさと祈りの心に触れ、静かに自分を見つめる時間を持つことができました。
「あなたがたはキリストの体であり、また一人一人はその部分です」
~コリントの使徒への手紙―12章27節
この聖句は、私たちがそれぞれ異なる賜物を持ちながらも、神様のもとで一つの体として結ばれていることを教えてくれます。学校という共同体の中でも、子供たちはそれぞれの個性や力を発揮しながら、お互いに支え合い、成長していきます。行事はその「つながり」を深める大切な機会です。
今後も、遠足や合宿、長距離走記録会など様々な行事が予定されています。それらは単なるイベントではなく、子供たちが神様の創られた世界に触れ、自分自身と向き合う大切な時間です。行事を通して得られる学びは、教室での知識の習得とは異なり、心と体を使って感じる「生きた学び」といえます。
自然の中で命の不思議に触れたり、仲間と協力しながら課題に取り組んだり、自分の限界に挑戦したりする中で、子供たちは神様の存在を身近に感じていきます。時にはうまくいかないこともあるでしょう。思い通りにいかず、悩んだり、葛藤したりすることもあるかもしれません。しかし、そうした経験こそが子供たちの成長の種となり、やがて豊かな実を結んでいきます。神様は、私たちが困難の中でも希望を持ち、互いに支え合うことを望まれています。
子供たちは、行事を通して自分自身と向き合い、仲間との絆を深めながら成長していきます。その一つひとつの経験が、心を育て、神様とのつながりを感じる大切な糧となります。
こうした日々の積み重ねが、子供たちの未来を形づくっていきます。私たち大人も、神様の導きのもとで、子供たちの歩みに寄り添いながら、共に希望を持って歩んでまいりましょう。
校長メッセージ バックナンバー
2025年
- 9月
- つながりの中で育つ個性
- 7月
- 平和をつくる ちいさな一歩
- 5月
- 聖母月
2024年
2023年
2022年
- 12月
- 待つということ(待降節を通して)
- 11月
- 褒められた時には
- 10月
- 児童書によせて
- 9月
- 絶対ということ(又はお鍋の話)
- 7月
- 時代の中で求められること
- 6月
- 教育の目的
- 5月
- 聖母月に寄せて
- 4月
- 春爛漫
- 3月
- オミクロン株
- 2月
- 18歳成人に向けて
- 1月
- 成長を見せる寅年
2021年
- 12月
- 待降節:アドベント (Advent)
- 11月
- 学ぶということ
- 10月
- 感謝ということ
- 9月
- 価値観の違いに気づいた時に
- 7月
- 読書への思い
- 6月
- 自治を学ぶ
- 5月
- 学びについて
- 4月
- 始まりの季節
- 3月
- 春に向けて
- 2月
- つながれていくバトン
- 1月
- 新たな年を迎えて
2020年
2019年
- 12月
- 虹
- 11月
- 教皇様の来日に寄せて
- 10月
- 対話
- 9月
- 日常の生活を保つために
- 7月
- プラスチックごみ問題を通して
- 6月
- 大人として
- 5月
- 読書の時間
- 4月
- ランドセルから見えてきたこと
- 3月
- 春に
- 2月
- 「漢字一字」に込める思い
- 1月
- 言葉の力
2018年
- 12月
- クリスマスを祝いましょう
- 11月
- 死者の月
- 10月
- 信じる
- 9月
- 日常の生活を保つために
- 7月
- 出来ない不安,出来た喜び
- 6月
- ・・・のために
- 5月
- 「関わり」を通して見えること
- 4月
- 共に目指すこと