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校長メッセージ

聖ドミニコ学院小学校
校長

土井 智子

聖ドミニコ学院小学校 校長 土井 智子

2019年12月

「わあ、きれい。」「虹だよ!虹が出ている!」
朝、教室から廊下に出た子供たちが、窓から見えた大きな虹に感激して声をあげました。通りかかった教師も、「どれどれ、ああ本当にきれいだね。」と、一緒に虹を見ていました。すると、続いて「きれいだなあ。『ぼくらの丘』みたいだね。」と言った1年生がいました。朝の時間の、何気ない会話です。
その会話を一人で反芻しながら、虹の出た風景を子供が『ぼくらの丘』と表現したことに、私は小さな感動を覚えていました。1年生が学芸会で発表した『ぼくらの丘』は、自分の意見や優位性を主張し合って争っていた動物たちが、互いに助け合うことの大切さ、尊重し合うことの喜びに気付き、虹がかかった丘をぼくらの丘と呼ぶまでを描いた劇でした。練習を通して劇の主題を学び、『ぼくらの丘』の意味することに気付き、実際に見た風景の比喩としてつかい表現した感性が嬉しかったのです。

路上生活者を支援する雑誌「ビッグウィッシュ369号」にスマホが子供に与える影響を警告する特集記事が載っていました。記事には「スマホの長時間使用が何らかの影響を与え、学習効果が打ち消されている。」「一番影響が強いと考えられるのがライン…ラインは勉強中でも友人から通知が来ると『すぐに返信しなくては嫌われる』と考えてスマホを触ってしまう。すると、学習を司る前頭葉の前頭前野の活動が制御される。さらにその復旧にも時間がかかって、学習効果が下がる。」とありました。これは、毎日子供に接している者にとって、とても衝撃的な内容でした。記事に紹介されていた2冊の書籍「スマホが学力を破壊する」(川島隆太著)「スマホ社会の落とし穴」(清川輝基・内海裕実共著)をあたってみると、子供の豊かな感性や育むべき協調性が失われていく危険性がデータとともに明らかにされていました。スマホが与える悪影響を放っておくことは、教育者の責任放棄・親の責任放棄・大人の責任放棄という強い言葉が心に刺さります。

私たちは、子供たちが幸せな社会を築き、人生を精一杯生きていくことを願って教育をしています。それは、日々子育てに心を砕いている保護者の思いとも一致しているでしょう。時代が進むにしたがって様々な教育問題が形を変えて出てきます。けれども、豊かな感性を育てていく責務が大人にはあるということは変わりません。※「自分に都合の良い、そして心地よい情報ばかりを『偏食』し始め」ないように、※「共感といった将来の社会生活で必要な知恵や方法論を身に付けて」いくために、今何をしていかなければならないかを一緒に考えてまいりましょう。( ※「スマホ社会の落とし穴」からの抜粋 )

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