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校長メッセージ

聖ドミニコ学院小学校
校長

土井 智子

聖ドミニコ学院小学校 校長 土井 智子

対話 2019年10月

「出前授業」と呼ばれる授業があります。専門家として活躍されている方々が,学校で子供たちに直接授業をしてくださるという取り組みです。以前在校されていた保護者の方が,「出前という言葉の意味は,仕出しとか料理に関するので,表現方法を変えた方がいいのでは?」と話されたことがあり,本校では「出張授業」と呼んでいますが,一般的には「出前授業」という名で表現されています。

さて,県が行っている「こども環境教育出前授業」の公募に手を挙げたところ,運良く5年生の理科の授業に気象予報士のS先生が来てくださることになりました。2時間続きの授業は,教科書で学習した雲の話や雲のでき方から始まり,台風の成り立ち,異常気象,地球温暖化まで多岐にわたるものでした。TVニュースで天気予報をされていたS先生の語りはとても聞きやすく,途中5分間の休憩をはさみましたが,子供たちの集中は途切れることはなく,ノートにとるなどそれぞれ真剣な表情で授業に臨んでいました。
授業後,S先生に感想をうかがうことができました。「とても楽しかった。」と開口一番に話された先生は,「お互いを助け合う雰囲気が感じられました。誰かが話し始めると,それを聞き合うことを自然にしているところが,とても嬉しかった。私立の校風ってあると感じた一日でした。」と,楽しそうに言葉を続けられました。男子が多く,エネルギッシュなクラスなので,ともすると興奮してしまうこともあったのですが,それでも友達が発表する時にはその意見に耳を傾けていました。そこにS先生は「一人一人が大切にされているという印象」を受けられたのです。

「相手を大切にする」ということは,とても小さな事柄の積み重ねだと感じた一コマでした。言葉や態度で,私たちの心は大きく揺れ動きます。相手にそのつもりはなくても,乱暴な言葉がけやぞんざいな態度をとられると,気持ちは落ち込み,居心地の悪さを感じます。
800年前にヨーロッパで活躍した聖ドミニコは「対話の人」といわれました。聖ドミニコは,誰に対しても誠実な態度で耳を傾け,相手の言葉の中に真理を見出したと言われています。相手の考えに耳を傾け,自分の考えも伝える,そこに対話が生まれます。
日々の生活の中で「対話」を大切にしているかどうか,問い続ける姿勢を持つことが大事だと気付かされます。作業している手を止めて,相手の話に耳を傾けること。相手の目を見て,言葉が発せられるまで待つこと。どれも大切なことだとわかっていても,つい忙しさの中で「~ながら」になってしまうことがあります。人を大切にするということは,小さな心がけ,やりたいことを優先するのではなく,ちょっとの間相手のために時間をつかうことと同じ意味を持つのでしょう。「一人一人が大切にされているという印象」が,これからも校内のそこかしこで感じられるように,日々気を配っていきます。

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