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校長メッセージ

聖ドミニコ学院小学校
校長

土井 智子

聖ドミニコ学院小学校 校長 土井 智子

児童書によせて 2022年10月

図書室にはたくさんの本が並びます。最近の児童書は、表紙カバーの装丁も凝ったものが多く、手にするのが楽しくなります。図書室でいつも子供の本の貸し出しをしている担当者に、「どの本が読まれていますか?」と尋ねると、「銭天堂」や「暗号クラブ」「5分後…」など人気シリーズの名前をあげました。試しに「銭天堂」を読んでみると、さすがに良く読まれているだけあってテンポもよく引き込まれる内容でした。現代作家の作品は良く工夫されていて、現代の子供たちがおかれている環境や抱えている思いに寄り添っているように思います。

以前、図書室の本の選定を任されていた時、児童文学に力を入れて購入していました。子供に読んでもらいたい名作はたくさんあります。「時間」というふるいにかけられながら読み継がれてきた名作には、力があります。作品を通して子供に気付いてもらいたいことや感じてもらいたいことなど、普遍的なメッセージが込められています。図書室には、今もたくさんの名作が、子供たちが手にすることを願いながら書棚に収まっています。

けれども、このごろはその名作のそばに、子供たちに人気のあるシリーズの本が多く並んでいます。主旨を変えたわけではないのですが、子供たちが読みたい本を置くことも図書室の重要な役目の一つと考えるようになったからです。実際、人気シリーズの本を毎週借り続け読破している子供も多くいます。次々に読み進める速さは大したもので、図書室になければこの子供たちの要求にはなかなか応えられないでしょう。

 

5年生が毎朝行っているスピーチ原稿を目にする機会がありました。「紹介したいもの」と題した内容は、本についてのことで、本を進める理由を3つ挙げていました。約400字の原稿を要約すると

一、国語の力が上がる。読むスピードが上がり読解力が高まる。

二、想像力が上がる。本の内容を想像して理解する力がつくので勉強中にもいろいろなアイディアが浮かぶ。

三、面白い。字だけでつまらないようだが、実は面白い。

とありました。「(本は)つまらないようだが、実は面白い」という表現に思わず微笑んでしまいました。読書習慣がしっかり身についていることがわかります。以前の原稿で何度か紹介していますが、朝の読書に本校が取り組み始めて23年になります。学童期の6年間、一日10分の読書時間の積み重ねは、確かに子供に本を読む習慣をつけています。

好きな本を読む自由を確保するためにも、図書室で子供の人気本を並べ続けていきます。そして、図書室に来た子供たちにさりげなく名作の面白さを伝えていきたいと思います。自分が生きている時代・場所・環境・性別を超えて、主人公と共に物語の世界に飛び込む楽しさを、ICT化の進む現代に生きる子供たちに味わわせたいのです。 

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