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校長メッセージ

聖ドミニコ学院小学校
校長

土井 智子

聖ドミニコ学院小学校 校長 土井 智子

クリスマスを祝いましょう 2018年12月

街路樹がイルミネーションで彩られ,クリスマスソングが流れています。クリスマスの商業化と言われても,やはりこの華やかな雰囲気の街を歩いていると楽しくなります。
ツリーやリース,キャンドル,ひいらぎ,サンタクロース,プレゼント…街はクリスマスカラーであふれかえっています。

キリスト教徒が全人口の数パーセントといわれる日本で,12月25日がクリスマスであることを知らない人は殆どいないでしょう。誰もが知っているクリスマス。けれども,「イエス・キリストの誕生日」という認識しか持っていないということも事実です。
キリスト教系の学校に通う子供たちの幸せは,学童期という感性がピュアな時期,物事を最も吸収しやすい時期に,クリスマスの意味をしっかり考える時間を持つことができることにもあります。もちろん,学校という公教育の場でキリスト教の布教活動をしているわけではありません。キリスト教の価値観を伝えていく中で,人としてどう生きるのかを考えさせているのです。どうしてクリスマスを祝うのか,クリスマスの意味とは何かを考えることは,自分の生き方…それは自分の考え方だったり,言動だったり…を省みることにつながっていきます。

自分中心の考え方をしていると,時に人は袋小路に迷い込むことがあります。相手の言葉に激怒したり,自分が全否定されていると思い込んだり,何もかもが面白くないと感じてしまったりします。相手のちょっとした仕草が癇に障り,いつまでも心から離れずもやもやすることがあります。他から見たら実に他愛ない,些末な出来事に心を奪われていることがなんと多くあるでしょう。自分本位の考え方からは,なかなか解決方法が見つけられません。
その思考方法が本当に自分を含めて人を幸せにしていますか,と問いただしているのがクリスマスです。人々を救うためにこの世にお生まれになった神の子イエス。イエス様が,弱い赤ちゃんの姿でこの世に来たことは,何を意味しているのでしょう。人がとても弱い存在であること,また同時に何もできなくても大切な存在であることを私達に教えています。本当に大切にしなければならない事を大切にしましょうと,その存在を通して教えているのがクリスマスです。互いを大切にし,相手の言葉に静かに耳を傾け,思いやりのある言葉を掛け合う,自分中心の考え方から少し身を引いて考える,自分の心の持ちようで相手をそして自分自身を幸せにできる事を教えているのがクリスマスです。

みなさん,クリスマスをお祝いしましょう。互いに平和の時を生きるために。

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