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校長メッセージ

聖ドミニコ学院小学校
校長

土井 智子

聖ドミニコ学院小学校 校長 土井 智子

オミクロン株 2022年3月

想像をはるかに上回る勢いで、オミクロン株の感染が日本中を覆っています。各地の新規感染者数の推移は、第5波とは比べようがないほど大きな山となってグラフに表されています。これまで若年者層は少ないといわれていた陽性者が、オミクロン株にかわってから、10歳以下も飛躍的に増加しました。

換気が最も重要と言われているので、本校でも各クラス暖房をしながらドアを開けています。なかなか室温が上がらない中で、子供たちは一生懸命学習に取り組んでいます。寒さの中で黙々と机に向かい、作業をしている姿を見ていると、タイムスリップしたような思いにかられました。昔、学校はとても寒い場所でした。暖房設備が脆弱な上に(石炭やコークスの達磨ストーブが教室の真ん中に1台あるだけでした。)、隙間風が吹き、廊下側の席は極寒という言葉がぴったりの場所でした。「教室ではジャンパーなどの防寒着は脱ぎなさい」という教師の言葉に従いながら、幼い私は「教室の中の方が寒いのに、どうして脱ぐのだろう?外の方が、日が当たってまだ暖かいのに…」と疑問を持ったものでした。ですから今、ドアを開けた状態の教室で子供たちがポロシャツ1枚で(しかも、半袖の子供もいます!)授業を受けている姿を見ると心配になってしまいます。「寒くないの?」「ジャージの上着を着ないの?」と声を掛けますが、「大丈夫です。」「寒くないです。」という答えが返ってきます。子供たちは元気です。

そんな元気な子供たちに、影を落としているのがオミクロン株です。出来ることを精一杯やっていても、防ぎようがないのがウィルスなのでしょう。「厚生労働省は5歳から11歳への接種を3月から開始する」とありますので、春には少し状況が変わるかもしれませんが、変異を繰り返す新型コロナウィルスのこの先を予想することはできません。長崎大学の山本太郎教授はコロナウィルスとの共生をと、私たちに呼びかけています。「目指すべきはウィルスに打ち勝つことではなくて、被害を最小化しつつ、ウィルスと早く共生関係に入っていくこと」という考え方は、受容する力を私たちに与えてくれます。根絶するという考え方では、今の状況が八方ふさがりのように思えてしまうからです。「共生」という考えに立つのであれば、少しでも被害を少なくするために、一つ一つ小さな積み重ねを大事にすることが大切であると考えることができます。感染を抑える努力とは、時に自分の欲求を抑えることと同義になることがあります。スクールバスの中でおしゃべりをしない、食事は黙食、グループ活動を控える、他学年との交流活動はオンラインで行う…たくさんの制約が続いています。この制約が、自分のためだけではなく、相手を守るためにも必要なことであると思って実行する時、そこに『愛』が生まれます。人は意味のある行動には前向きに取り組むことができます。

大変な状況はまだ続きます。一人一人の力は小さいものですが、それが集まることで大きな力となります。互いのことを考えた『愛』ある行動を続けていくよう日々の生活を大切にしていきます。

同時に、ドミニコをこの春卒業し巣立つ子供たちが、それぞれの場で『愛』のある行動を拡げていくことを願っています。

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