褒められた時には 2022年11月
北海道・東北地区私立小学校教員研修会が本校を会場として開催されました。新型コロナウィルス感染症蔓延防止により2年間延期されてきた研修会でしたが、ようやく集会方式で開催することができました。全国私立小学校連合会に加盟している北海道東北地区の私立小学校は10校です。そのうちの8校に勤務する全教員が参加して、今回の研修会が行われ、会場校となった本校は、在校児童全員が研究授業でその姿を見ていただきました。
オンライン研修が主流となってきた中で、久々に対面で行われた研究授業に参加された先生方はとても満足されていたことが伝わりました。また、研修会に指導助言者としていらした講師の先生方は、口をそろえて本校の子供たちのことを評価してくださいました。「元気がいいですね。」「自分たちの言葉で、きちんと発言できています。」「物怖じしないで自然な姿で授業に参加していました。」「互いを尊重しながら、活発な話し合い活動ができています。」「字を丁寧にしかも早くかけていることに感心しました。」「しなやかな動き方をしていますね。」等々。笑顔で話してくださる言葉に耳を傾けながら、私は謙遜することなく「ありがとうございます。」と繰り返していました。そして、心の中で、いただいたお褒めの言葉を子供たちにどのように伝えようかと考えていました。
「子供が褒められたら、謙遜することなく素直に喜びなさい。『ウチの子なんて…』と謙遜すれば、相手はその通りに受けとめてその子の評価を下げる。聞いた子供は、自分が評価されていないと判断する。(親や教師は)お世辞であっても素直に喜び、受けとめなさい。」
昔の人の言葉には含蓄があります。子供たちに接している私たちは、「もっとこうすれば」とか「ここを直した方が良い」といった言葉に鋭く反応します。足りないこと、できないことを意識し、もっと良くなるように手立てを考え励まします。それは教育の場では大切な事ですが、ともすると褒められたことより指摘されたことに重きを置いてしまう傾向があります。
世界的ベストセラー「スマホ脳」や「ストレス脳」の著者アンデシュ・ハンセン氏は、
「人間の脳は嬉しいことや楽しいことの記憶は長く続かないようになっている。反対に同じことが繰り返されない為に、つらいことや苦しいことは長く記憶にとどめるようにしている」
とその著書の中で述べていました。私たちは知らず知らずのうちに、子供に対しても同じような思考回路で、良いことより足りなかったことの補正を強く求めてしまっているのかもしれません。子供に幸せな人生を送ってほしいという願いを伝えるために、時には褒められた言葉に素直に反応し、子供と共に喜び合うことも大切な事だと思います。
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