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校長メッセージ

聖ドミニコ学院小学校 校長
土井 智子

聖ドミニコ学院小学校 校長 土井 智子

2024年4月

桜が、固いつぼみを割って開花する姿を人々は楽しみます。厳しい冬に耐え暖かい春を待ち続け、一気に咲かせるエネルギーを感じるのかもしれません。動物が冬眠から覚め、活動を始める春。寒い冬の間しっかりと守ってきたものを発散し、新しくしていこうというエネルギーに満ち溢れた春。草木も芽吹くこの季節は、新しい生活をスタートさせるのに最もふさわしい時期です。

お子様のご入学・ご進級おめでとうございます。いよいよ、2024年度がスタートしました。これから始まる生活に、子供たちは期待を胸に準備してきたことでしょう。その期待に、教職員一同はしっかりと応えていきたいと思います。

 

子供たちは、いつも新しいことにチャレンジする力を持っています。挑戦し、失敗しても再チャレンジする、そんな若い力です。すでにわかっていることを言われた通りになぞることよりも、多少遠回りでも、自分なりの工夫で進めていくことに子供たちは魅力を感じる傾向があります。

一人一台のタブレット導入が始まって3年間がたち、子供たちの活用する力は格段に上達しました。学習用具として自在に扱う姿を見ていると、その可能性はどんどん広がることを実感します。世の中はIT化が進み、これまで以上のデジタル力が必要とされてきます。今の小学生である子供たちが活躍する時代は、これまでの方法以上に、より人としての判断力が求められてくるでしょう。たくさんの情報があふれかえる中で、その情報を分析し、判断して活用する力です。その力を育てるためには、学童期の過ごし方はとても重要になります。その情報が正しいかどうかを判断するためには、自分で考える力をつけることが大切だからです。情報は使い方を誤ると、自分勝手な判断、都合の良い情報だけを集め自己正当化に走る、そして何より情報によって自分自身が誰かに操作されることさえあります。

自分で考える力を身に付けるためには、地道な積み重ねが必要です。まず、言葉の意味を知り正しく使えるようになることです。自分や人の感情を十把一絡げの単純な表現ではなく、その時々の気持ちを表し、相手に伝わるような語彙力をつけていくために、読書習慣を身に付けることは大切です。また、相手の人格を尊重し、わかり合うために学校に所属し学び合う集団生活をおくることはとても重要です。互いに意見を交わすこと、目標達成のために協力し合うこと、損得を抜きにして相手のために行動すること、そうした体験を通して子供たちは考える力、判断する力を身に付けていきます。時に、思い通りにならないことがあっても、自分の都合を優先させないこと、何が正しいことかを自分中心ではなく自分を超えた絶対なる存在から判断する、そうした価値観を付けていくことが物事を判断する力を付ける土台になっていくと考えます。

 

暖かい春に芽吹く草木は、しっかりと根を張り準備の時を過ごします。子供たちが、自分の考えをしっかりと持ち責任をもって行動できる人として成長するために、今年度も保護者の皆様と共に力を合わせて教育活動を続けていきたいと思います。

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