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校長メッセージ

聖ドミニコ学院小学校
校長

土井 智子

聖ドミニコ学院小学校 校長 土井 智子

作品から見る風景 2020年2月

掲示板に貼っている子供の作品を見ていると、時を忘れます。それぞれの学年のカラーも出ていて、おもしろいのです。
1年生の作った壁飾りは、淡い色が印象的で、自宅の玄関や廊下にかけて愛でたいものばかりでした。形や色、ビーズなどの材料を工夫して作り上げた紙粘土の作品は、個性的なデザインになっていて、小さな手がどんな思いで作ったのだろうと想像すると、一つ一つに愛着がわきます。5年生は、冬休み中に子供たちが料理をしてまとめたレポートが貼られていました。料理の種類の多さには目を見張るものがあります。ジンジャークッキーや仙台風野菜たっぷりな豚汁、タコ焼き…本格的な料理が並びます。「ぶりの照り焼き定食」の主菜、副菜、みそ汁がならんだ写真を見て、思わず「こういう料理を作ってくれる息子が私も欲しい。」と言ったら、そばにいた5年生に笑われてしまいました。

図工や国語、家庭科、音楽、体育等様々な教科の学習を通して、子供たちは表現力を培っています。学校は様々な知識を系統立て、年齢に応じて学ぶシステムとして発展してきました。学習指導要領はその時代の求めに応じて変革していった歴史もあります。けれども、いつの時代も変わらないことは、次の時代を担う子供たち一人一人が、必要な知識を学ぶと同時に、自分を大切にし、他を大切にする思いやりのある人として成長することを願う思いです。

昭和22年3月に出された「学習指導要領 一般編(試案)」の序論に次のような文が載っています。

…いま、この祖国の新しい出発に際して教育の負っている責任の重大であることは、いやしくも、教育者たるものの、だれもが痛感しているところである。我々は児童を愛し、社会を愛し、国を愛し、そして立派な国民を育て上げ、世界の文化の発展に尽くそうとする望みを胸において、あらん限りの努力を捧げなくてはならない。…

戦争という激しい嵐の後、教育こそがこれからの歩みの第1歩となると考えた先人の思いが伝わってきます。75年がたち、日本は目まぐるしい発展を遂げ、AIの時代を迎えたといわれています。2020年4月から新学習指導要領のもとで教育活動が進められます。新しいことが始まる時、私たちは、新しくなったことばかりに目がいってしまいがちです。けれどもそんな時であるからこそ、先人の思い、教育にかける思いを振り返ることが大切になってきます。自分の思いを表現する、他の人のために自分ができることをする、そんな教育活動を新しい学習指導要領のもとで繰り広げていきたいと考えています。

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